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妊娠期の夫婦関係と父親の育児行動への期待及び親アイデンティティとの関連
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File / Name | License |
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紀要51号-03 研究論文 石田有理.pdf |
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アイテムタイプ | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper |
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言語 | 日本語 |
著者 |
石田 有理
/ イシダ ユウリ
山下 倫実 / ヤマシタ トモミ 加藤 陽子 / カトウ アキコ 布施 晴美 / フセ ハルミ |
抄録 |
本研究の目的は,夫婦から家族へと関係が移行しはじめる妊娠期の夫婦を対象に,出産前後の夫婦の関係性評価や関係効力性,夫の産後予測される育児行動が親アイデンティティ(以下親ID)にどのような影響を及ぼすか探索的に検討することであった。令和2 年3 月に,現在第1 子妊娠中の過程を対象に,WEB 上でのアンケート調査を実施した。分析対象は回答漏れがなかった夫婦197組であった。
父母の親ID の構造を検討したところ,母親では,「親役割遂行への不安」「親役割遂行への自信」「親になることへの展望」の3 因子,父親では,「親になることへの不安」「親になることに対する自信」「親になることへの自信のなさ」の3 因子でそれぞれ構成されていた。次に,妊娠期別に親ID に違いがみられるかについて検討した結果,父親では大きな差異はみられなかった。母親では,他の期間よりも正産期(妊娠37週以降)において,「親役割遂行への不安」が高いことが示された。最後に,妊娠期の夫婦の関係性と,出産後予測される父親の育児行動評価が,親ID に及ぼす影響について検討した。その結果,母親の「親役割遂行への自信」,「親になることへの展望」は,子どもが生まれることで夫婦の絆が強まると自分自身が思う程度が高い場合に高まるが,父親の母親に対する支援を高く予測する場合に「親役割遂行への自信」が高くなり,子どもに対する育児行動を高く予測する場合に「親になることへの展望」が高くなることが示された。他方,父親の「親になることに対する自信」は,子どもが生まれることで夫婦の絆が強まると自分自身が思う程度が高く,自分の母親に対する支援と子どもに対する育児行動を高く評価していると高くなるが,妻が父親の子どもに対する育児行動を高く予測していると低くなることが示された。妊娠期においては,親ID は父親と母親の間で異なり,子育て期とも異なることが示唆された。 |
雑誌名 | 十文字学園女子大学紀要 |
巻 | 51 |
ページ | 29 - 43 |
発行年 | 2021-03-28 |
ISSN |
2424-0591
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