@article{oai:jumonji-u.repo.nii.ac.jp:00001224, author = {名倉 , 秀子 and NAGURA, Hideko}, journal = {十文字学園女子大学紀要, Bulletin of Jumonji University}, month = {Mar}, note = {鶏卵は,奈良・平安時代に食べられた記録は見られず,時を告げる鶏の卵を食べることは罰があたるとされ,畏敬の念があったといわれている。安土桃山時代には,ポルトガルからの菓子に鶏卵を使ったカステラなどの料理がみられるが,鶏卵を積極的に料理にもちいていたとは考えられない。また,江戸時代中期以降には豆腐百珍をはじめに,鯛百珍,玉子百珍,甘藷百珍など100種類の料理を材料別に紹介する料理本が刊行された。ここでは,萬寳料理秘密箱にある玉子百珍の理103品について,調理学的,食文化的な視点から分析し,食生活や卵料理の嗜好性を把握することを目的とした。 卵料理の材料は,鶏卵が97%を占め,全卵使用が全料理の84%となり,貴重な鶏卵を大切に扱う調理法の記載があった。調理法は殻付きゆで卵が21%出現し,これは「煎貫」という調理法であることが明らかになった。ゆで卵は,卵白を染色した料理や,花型に変形させ「花卵」などのように,見栄えの良い料理の調理法が多く掲載され,器のなかの料理について視覚を重視していた。また,卵白は,泡立て後に蒸し,汁の具や平皿の一品とする調理法が紹介され,フワフワなどの食感も大切にされていることが散見された。調味料は,醤油や塩,白砂糖の他,煎酒を利用する料理もあり,旨味や酸味の味のバランスを考えた料理も出現していた。卵料理には,砂糖で調味するカステラや冷たい羊羹などの菓子職人の扱う珍しい菓子類も記され,レシピ本と同時に料理の読み物として掲載されていた。また,卵に生薬を加えた料理は効能の紹介があり,料理が健康維持のために利用されていた。視覚,味覚,嗅覚,触覚を楽しむ卵料理から,食生活文化の広がりを把握できた。}, pages = {71--79}, title = {萬寳料理秘密箱「玉子百珍」に掲載された卵料理について}, volume = {51}, year = {2021}, yomi = {ナグラ , ヒデコ} }