@article{oai:jumonji-u.repo.nii.ac.jp:00000126, author = {落合, 真裕 and OCHIAI, Mayu}, issue = {1}, journal = {十文字学園女子大学紀要, Bulletin of Jumonji University}, month = {Mar}, note = {テレンス・ラティガン(Terence Mervyn Rattigan, 1911-77)の大ヒット作のひとつである『フランス語入門』French Without Tears (1936)は、青年たちの恋愛模様を扱った軽快な喜劇として知られている。形式としてはオスカー・ワイルド(Oscar Fingal O’flahertie Wills Wilde, 1854-1900)の喜劇同様に風習喜劇(Comedy of manners)のスタイルに倣い、登場人物たちの風習が笑いの対象となっている。この作品では感情に操られることを恥ずべきこととし、理性を重んじて生きることを理想とする者たちのマナーが諷刺されている。また、性的魅力で男性を虜にする女性をめぐって、青年たちが愚かに争う状況を通して、「戦う」という行為もまた笑いの対象となっている。だが、理性を重んじて内なる感情を表に出さないのは当時の観客たちのマナーであり、「戦う」ことは第一次世界大戦へ参戦したイギリスそのものを示唆している。つまり、観客たちは大戦後の滅びゆく自分たちの過去の栄光を目にしながらも、自分たちのマナー、そして自国の行為を劇場で笑い飛ばすほどの平衡感覚を持ち合わせていたことになる。『フランス語入門』の笑いの仕掛けに着目することで、イギリス人のユーモアは心のバランスを取ろうとする平衡感覚から生じており、その感覚を備えた観客が存在することでこの喜劇が成立しているだと言える。}, pages = {123--133}, title = {風習喜劇の仕掛け―『フランス語入門』における笑いとユーモア}, volume = {48}, year = {2018}, yomi = {オチアイ, マユ} }